心理的競技能力の変化からみたスポーツ継続の心理的効果
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概要
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福岡県立スポーツ科学情報センターのスポーツ医事・健康体力相談事業を受検したスポーツ選手で、「心理的競技能力診断検査」の測定結果が2回以上ある者、男子1,081名、女子458名を対象にして、心理的競技能力の変化からスポーツ継続の心理的効果を考察し、次のような結果を得た。1.心理的競技能力の性差をみると、男子は女子に比較して忍耐力、闘争心、自己コントロール、リラックス、自信、決断力、予測力、判断力で優れ、女子は自己実現意欲で優れていた。特に自信、決断力、予測力、判断力で顕著な性差がみられた。2.性別に初回と最終回の変化をみると、男女とも優れた結果に変化し、特に、男女とも予測力、判断力、自信、決断力で顕著な変化がみられた。3.測定間隔の違いによる変化の違いは、以下のとおりである。(1)対象者全体では半年以内の測定間隔では顕著な変化はみられず、半年以上の測定間隔では顕著な変化を示し、男女とも予測力、判断力、自信、自己実現意欲で顕著な変化がみられた。(2)高校生だけを対象とすると、対象者全体と同様に、半年以内の測定間隔では顕著な変化はみられず、半年以上の測定間隔から顕著な変化がみられた。特に、予測力、判断力、自信、自己実現意欲で顕著な変化がみられた。(3)高校生の競技種目ごとでは、陸上競技では男女とも自己実現意欲、野球とサッカー・ラグビーでは自信、決断力、予測力、判断力、水泳競技では判断力、自信、バレーボール・バスケットボールでは男子は闘争心、忍耐力、女子は予測力、判断力の変化がみられ、経験するスポーツ種目によって何らかの違いがあるのではないかと推測された。(4)競技レベル別では、他の分析と同様に半年以内の測定間隔では顕著な変化はみられなかった。国際・全国レベルでは対象数が少なかったが、共通傾向として自己実現意欲の変化がみられた。九州・県レベルでは自信、予測力、判断力、自己実現意欲、協調性で、地区・市町村レベルでは自信、決断力、予測力、判断力で顕著な変化がみられた。4.これらの分析から、スポーツの継続の影響は自信、決断力、予測力、判断力に顕著な影響を与えることが推測された。
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福岡医療福祉大学 | 論文
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