シミュレーション的手法による大気環境情報教育 : 温室効果気体による地球温暖化の予測
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概要
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大学教育の場において地球環境問題の本質を理解し定量的に把握できる能力を育成する手段として,コンピュータによるシミュレーションが有益であるとの視点から,地球環境問題として最も関心の高い温暖化をとりあげ,温室効果気体による地表温度の変化を試算する簡便な方法を提案した。温室効果気体は他の気体の影響を受けないで,個々の寿命に応じて濃度が減衰すると考え,排出量をもとに濃度を算出し,さらに放射強制力を求めて温度変化を試算するやり方である。その結果,例えば今後100年間でさらに温度は1.5K上昇することなどが予測でき,排出量と共に寿命の長さが温暖化に対して大きな影響をもつことを示すことができた。本法は簡便ではあるが,正確さを犠牲にしている面も多い。濃度変化を算出するときにその気体の循環システム全体を考慮するとか,温度上昇により雲量が増加するなど温室効果の二次的効果も含めるなどすることにより,さらに精度の高いシミュレーションが可能であろうが,それに伴う労力の増加はかなり大きいであろう。
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