物体の運動理解に関する研究 : 慣性に関する誤概念(2)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高校や大学で物理学の知識を学習したはずの青年たちが、物理現象について誤った理解や推論を行うことが知られている。それらの理解や推論の基になっている誤った信念や概念を、一般に誤概念と呼ぶが、この研究では、慣性についての放物線軌跡に関する誤概念を検討するために、次のような二つの課題を実施した。一つは、振り子運動をしている物体の糸が切れた後の落下軌跡を問うものであり、もう一つは、崖の端から前方へ飛び出した物体(たとえば、崖の端まで転がってきたボールなど)の落下軌跡を問うものである。発達的な変化を検討するために、小学生、中学生、大学生を被験者として質問紙による調査を行った。また、国際的な比較のために、中国の中学生、韓国の小学生にも同様な調査を行った。その結果、低年齢では放物線運動を自分の体験を通してイメージとしてとらえ回答しているらしいこと、大学生で慣性と重力が排他的に作用すると言う誤概念が存在すること、性差には一貫した傾向がなく、領域固有的であること、文化的な相違に関わらず誤概念の出現頻度には一定の割合があることなどが明らかになった。
- 目白大学の論文
著者
関連論文
- 手作り教材の現状と保育者の意識
- 幼児の問題行動の発達的変化
- 慣性の概念の獲得に関する一考察 : 静止体と運動体に働く慣性
- 物体の運動理解に関する研究 : 慣性に関する誤概念(3)
- 物体の運動理解に関する研究 : 慣性に関する誤概念(2)
- 物体の運動理解に関する研究 : 慣性に関する誤概念(1)
- ケニア、都市部と農村部の子どもたちの日常生活
- ケニア、子どもたちの日常生活と生活意識
- テレビゲームにおける個人差の研究(1)