物体の運動理解に関する研究 : 慣性に関する誤概念(1)
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概要
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高校や大学で物理学の知識を学習したはずの青年たちが、物理現象について誤った理解や推論を行うことが知られている。それらの理解や推論の基になっている誤った信念や概念を、一般に誤概念と呼ぶが、この研究では、慣性についての二種類の誤概念を取りあげて検討した。一つは、運動している物体から分離された物体(例えば、飛行機から落下する物体)に慣性を認めるかどうかであり、もう一つは、曲線運動を生じさせるような慣性(円管から飛び出した物体が、外的な力が働かないのに円運動を続ける)の存在を認めるかどうかについてである。発達的な変化を検討するために、小学生、中学生、大学生を被験者として質問紙による調査を行った。また、国際的な比較のために、中国の中学生、韓国の小学生にも同様な調査を行った。その結果、日本の資料では誤概念を持つものの割合に性差が見られること、中国や韓国の資料では性差が見られないこと、日本の資料では、正しい物理的な概念の発達が男子では見られるが、女子ではあまり明確でないこと、さらに、この三国に限って言えば誤概念には各パターンの出現割合に地域差があまり見られないことなどが明らかになった。
- 目白大学の論文
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