日本を中心としたアジアにおける不法移民労働者 : その課題と挑戦
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概要
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不法移民労働者の問題は主に国家間、国内間の不平等な富の分配によって引き起こされる地球規模の現象である。アジアにおいても不法移民労働者の問題は(特に先進国にとって)国の社会経済、政治、社会福祉に大きな影響を与える問題である。本論文では日本を中心として、アジアの不法移民労働者問題の課題、今後の展望を考察する。本論文は(1)単純労働者、***ワーカーを中心とした、アジアにおける不法移民労働者の労働形態とその現状。(2)日本やNIEs諸国へと不法移民労働者が流入してくる要因。(3)不法移民労働者に対する政府の法律と政策。(4)不法移民労働者の劣悪な労働状況や、雇用主による搾取。(5)アジア諸国の政府の対応。(6)この問題に対する国際社会とNGOの取り組みを論じ、続いて日本における不法移民労働者の現状と課題を考察する。不法移民労働者の問題に対しては柔軟な対応が必要となる。政府は不法移民労働者を斡旋するシンジケート、並びに不法移民を雇う雇用主に対する監督を強める必要がある。また、移民の労働形態や人権に関する多国間同士の協定を結ぶことも、不法移民を緩和するための有効な政策である。不法移民を軽減するために、もっとも重要なことは政府の政治的意思である。しかし、現時点ではそれは不十分なものであり、その結果この問題を助長させてしまっている。アジア各国の政府は不法移民の問題を真正面から捉え、取り組む必要がある。
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