遺伝子特許と生命倫理
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
遺伝子研究、ならびにそれにもとづく医薬品や診断方法の研究開発は、市場原理に基づいて研究開発投資がなされることによって、はじめて可能となる。特許制度がなければ、医薬品や診断方法が開発されず、医療サービスの質が高まらないと考えられるが、特許の存在によって医療サービスへのアクセスが抑制されるケースがあることも事実である。現代の産業社会における遺伝子特許の倫理性を考えるにあたっては、次の二つの観点が重要であると考える。一つ目は、研究開発で新たな成果を出したプレイヤーに対してその貢献度に見合った適正な見返りを与えるということである。二つ目は、遺伝子特許の付与条件や使用許諾条件を、人類の健康と福祉の増進ならびにそれを目指した研究開発の促進に資するよう設定するということである。本稿では、このような意味での「遺伝子特許の倫理性」が問題となる具体的な局面を挙げた上で、それぞれについてどのような政策的解決が可能であるのかを検討する。
- 日本生命倫理学会の論文
- 2004-09-17
著者
関連論文
- 23・3 幹細胞(23.法工学,機械工学年鑑)
- iPS細胞研究と知的財産 (第5土曜特集 細胞医療Update) -- (行政・社会環境)
- 1309 MPEG2パテントプールの構造分析(S93-2 知財マネジメントの課題,S93 知的財産と研究開発)
- 2C26 科学技術国際共同研究プログラムにおける計画とマネジメント : 事例調査による特徴と課題(政策評価・研究評価)
- 2E04 ライフサイエンス研究者の直面している「知的財産問題」の調査(知財)
- 2E01 ライフサイクルマネジメントと医療特許(知財)
- 2D27 公的研究と民間研究 : ヒトゲノム解析のケース(バイオと科学技術)
- 2A14 バイオ知財人材育成システムの開発(MOT教育の質的検討)
- タンパク質立体構造は特許で保護されるか--日本・米国・欧州特許庁による比較研究レポートの解析と分析
- 知的財産マネジメント研究会バイオ分科会報告(4)技術移転におけるマテリアルトランスファーの問題点--有形財産の取り扱いについて
- 2A07 技術移転におけるマテリアルトランスファーの問題
- 1D08 バイオ研究人材におけるキャリアパスの多様化とその人材育成システム((ホットイシュー) 戦略的人材システムに向けた課題 (2), 第20回年次学術大会講演要旨集I)
- 0304 ラボラトリーにおける知識共有と秘密保持契約(S80 技術に対する法的援助,S80 技術に対する法的援助)
- 1311 知的財産マネジメント人材の育成手法(S93-2 知財マネジメントの課題,S93 知的財産と研究開発)
- 知的財産をめぐる国家戦略について
- 2A18 大学研究者の教育及び研究に関する意識
- 製薬企業間の合併とイノベーションの決定要因--専有可能性と技術機会に関する分析
- 企業境界の変化がイノベーションの決定要因に及ぼす影響--中外製薬に関する事例分析
- 1C11 製薬企業における研究開発活動の動向 : 企業別データによる分析(技術経営(2),一般講演,第22回年次学術大会)
- 製薬企業におけるイノベーションの決定要因--戦略効果の実証分析 (特集 医薬品企業のM&Aとアライアンス)
- 1308 製薬企業におけるイノベーションの決定要因 : 技術機会に関する分析(S93-2 知財マネジメントの課題,S93 知的財産と研究開発)
- 1H12 公的研究機関における創薬研究支援の基盤整備に関する検討(産学官連携 (2))
- S2003-1-3 日本の製薬企業における大学・研究機関のナレッジの活用 : 特許の共同出願人データに基づく分析(知的財産権&技術革新を促進するための社会制度)
- S2003-1-2 企業アンケートに基づく産学連携の分析(知的財産権&技術革新を促進するための社会制度)
- 2J12 ラボラトリー・マネジメントの体系化に向けて : 研究者のニーズ調査(人材問題(3),一般講演,第22回年次学術大会)
- W18(1) 特許は産業の発展に寄与しているか(知的財産法工学の展望)
- 1304 戦後日本における産学連携機関の誕生とその歴史的展開(S93-1 知財政策の課題,S93 知的財産と研究開発)
- 進め!!日本のイノベーション(第3回)専有可能性と技術機会
- 2B24 先端科学技術における情報成果物の知的財産権による保護 : 情報成果物の具体例からみた検討(知的財産2)
- ヒトES細胞株の権利帰属と活用
- S2H2 DNAチップ開発における遺伝子特許ライセンス方式の提案(ポストゲノム時代の知的財産戦略,シンポジウム,日本生物物理学会第40回年会)
- いま大学では何が起きているか--特許の機能と産学連携 (特集 知財をめぐる期待と誤解--大学から企業,そして社会へ)
- 2E05 知財創造サイクルにおける経営戦略オプションとしてのクローズ型およびオープン型知財戦略(知財)
- 23・4 知的財産権(23.法工学,機械工学年鑑)
- 標準化とパテント・プール(技術標準化の戦略的側面)
- 遺伝子関連発明のライセンスに関する問題:OECDガイドラインをめぐって
- 2F11 特許権の集合的管理・流通スキーム(知的財産権 (1))
- 医療関連行為の特許保護とその問題点(2)
- 進め!! 日本のイノベーション(第4回)イノベーションと特許制度
- 医療関連行為の特許保護とその問題点(1)
- 2C21 ゲノム研究におけるデータベースの構築と利用(知識と情報 (2), 第20回年次学術大会講演要旨集II)
- 2C19 科学技術情報の整備・流通における政策の役割 : これまでの科学技術情報政策と課題(知識と情報 (2), 第20回年次学術大会講演要旨集II)
- 1K20 イノベーション促進に向けた知的財産信託の課題(知財, 第20回年次学術大会講演要旨集I)
- 1K04 特許使用円滑化によるイノベーションの促進 : PIPRAの事例調査((ホットイシュー) オープン・イノベーション (1), 第20回年次学術大会講演要旨集I)
- 23・3 知的財産権(23.法工学,機械工学年鑑)
- 遺伝子関連発明の知的財産政策:共有化と私有化の最適バランスに向けて (特集:日本の医薬品産業発展のために何をなすべきか--「日本の医薬品産業発展のために何をなすべきか」特集にあたって)
- 23・2 事故・災害とリスクマネジメント(23.法工学,機械工学年鑑)
- 23・4 知的財産権(23.法工学,機械工学年鑑)
- W2101-(2) 法工学における知的財産の課題(【W2101】法工学の諸課題,ワークショップ)
- S2101-1-4 発明者アンケートによる研究阻害要因の分析(技術革新を促進するための社会制度,社会変革を技術で廻す機械工学)
- S2101-1-3 大学での知的財産人材のキャリアパスに関する研究(技術革新を促進するための社会制度,社会変革を技術で廻す機械工学)
- 知的財産法(エンジニアが関わる法律,機械技術者に役立つ法と倫理)
- 遺伝子特許と生命倫理
- TLOの人材育成策 : 米国TLOにおけるアカデミック・バックグラウンドの実態調査から(産学官連携の推進と専門職人材)
- 米国における明細書の記載要件 (特許法の実体面の調和に向けた各国制度,運用等の調査研究報告(第1部)明細書の記載要件についての主要国比較)
- ライフサイエンスの知的財産にかかわる倫理問題 : 幹細胞特許に着目して(ライフサイエンス研究の新潮流〜知的財産の視点から〜)
- 24・4 知的財産権(24.法工学,機械工学年鑑)
- 2A21 米国技術移転人材のキャリアパス
- 知的財産保護の強化と国家戦略 : 医療行為への特許付与を例とした論点の提示
- 医療行為と特許 (特集 ポストゲノム時代の医療) -- (ポストゲノム医療と社会)
- ゲノムビジネスの現状と課題 (特集 ゲノム解読の進歩と医療)
- 知的財産権をめぐる最近の動向(3)先端科学技術における特許プールの活用(下)バイオ分野の特許プール
- ゲノムビジネスと遺伝子特許
- 知的財産権をめぐる最近の動向(2)先端科学技術における特許プールの活用(上)MPEG-LAの事例
- 生命科学と知的財産 (特集 学術研究と知的財産)
- 知的財産権をめぐる最近の動向(1)職務発明に対する「相当の対価」をめぐる問題
- 産学をつなぐ技術インキュベーションと制度
- 構造プロテオミクスによる創薬 構造プロテオミクスと特許 (蛋白質ネットワークの構造生物学) -- (第1部 構造プロテオミクスの誕生)
- 遺伝子特許
- 2A06 バイオ分野におけるパテントプールの活用
- 再生医学における生命倫理--法令による規制と特許対象からの除外 (特集 再生の医学)
- ヒトゲノムと特許
- ゲノム生命科学と特許 (解読されたゲノムをどう活かすか)
- ヒトゲノム 解読完了で始まる特許獲得「大競争」
- コーエン・ボイヤーの遺伝子組換え特許をめぐって
- 特許法改正をめぐる動向と産学技術移転 新規性喪失の例外適用の拡大に着目して
- S211011 基礎研究の産業界における活用:個人向けアンケートの試行から([S21101]技術革新を促進するための社会制度)