爪かみ治療への行動論的アプローチ
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概要
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本研究は,爪かみ症状を呈する1名の女児<9歳,小学校4年生。以下,クライエント(cl)と称する。>を対象としたが,cl自身が都合により来談できなかったことから,母親に対して行動カウンセリングを実施し,さらに母親を共同治療者とするトークン・エコノミー法を家庭においてclに導入することによって,その治療効果を期待した。母親に対する行動カウンセリングでは,母親は治療者の教示通りにclとの接触の度合を高めたり,clの望ましい行動に大いに注目し,賞賛した。その結果,clの症状は一時,軽減したこともあったが,cl,及び弟や姉に対するこのような愛情付与の分散化によって,それ程の改善を示さなかった。そこで,次に,母親とclのみで接触でき,かつ,このような習慣的行動を消去する手続きとして,母親を共同治療者とするトークン・エコノミー法を家庭でclに導入することにしたが,母親は治療者の指示に従い,これを順調に遂行した。このように母親は,これらの治療を通じてclとの接触や愛情表現の方法を理解するとともに,これを実行する程までに至り,養育態度の改善を示した。そして,これらの結果に伴い,clの症状は完全に消失し,3か月間のフォローアップにおいても同様のことが確認された。
- 2001-03-31
著者
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