デンマークでの脳死肝移植システムと現状

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概要

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デンマークでは1990年10月から脳死肝移植が開始され2003年8月までに390症例に対し448回の肝移植が施行されている。デンマークは小国ゆえに他の北欧4国とともにScandiatransplantを組織し,ドナー臓器の相互利用を行いながら移植医療を維持している。ただし近年は小児を中心にドナー不足が深刻になってきており,生体肝移植も施行されてきている。脳死肝移植はすでに確立した医療として定着しており,コーデイネーターを中心に効率的なシステムが構築され看護師・麻酔科医等のスタッフも充実している。デンマーク肝移植症例の特微は緊急例ではパラセタモール中毒が,待期例ではアルコール性肝硬変が多いことである。当教室員2名が2年で経験した脳死肝移植は70例で緊急11例・待期59例であるが,緊急例ではパラセタモール中毒・待期例ではアルコール性肝硬変が最多であった。肝移植にかかる医療費の患者自己負担は無料であり,疾病構造とともに医療経済の違いを感じた。
2004-12-01

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