長時間の前傾姿勢が契機となり発症した上腸間膜動脈症候群の1例
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概要
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症例は24歳男性。食後の嘔気,嘔吐を主訴として受診した。それらの症状はゲームソフト開発会社に就職し,モニターを見ながら行なう長時間の前屈姿勢での作業をするようになってから出現した。上部消化管造影では上腸間膜動脈と腹部大動脈の分岐部と思われる部位での十二指腸水平脚の直線状な途絶,造影剤の逆蠕動などの所見を認め,上腸間膜動脈症候群と診断した。腹部超音波検査では腹部大動脈と上腸間膜動脈の角度は8°と狭小化しており,その診断の裏づけとなった。本症例では元々ズボンのベルトをきつく巻く習慣があった。前屈姿勢ではベルトによる腹壁への圧迫が更に強くなり,その状態が長時間持続したことが本症を発症した契機となったと思われた。絶食,補液で症状は消失し,食事再開後も再燃はなかった。長時間の前屈姿勢を止めるように指導したところ,6ヶ月経過した現在でも本症の再燃は認めていない。
- 自治医科大学の論文
- 2004-12-01
著者
-
多田 正弘
埼玉県立がんセンター臨床病理部
-
古川 泰司
飯能市立病院外科
-
石窪 力
飯能私立病院内科
-
合原 道二
飯能私立病院内科
-
古川 泰司
飯能私立病院外科
-
相原 弘之
飯能私立病院外科
-
竹井 真一郎
飯能私立病院内科
-
相原 弘之
飯能市立病院外科
-
合原 進二
飯能市立病院内科
-
竹井 真一郎
飯能市立病院内科
-
多田 正弘
埼玉県立がんセンター消化器科
-
多田 正弘
埼玉県立がんセンター 消化器科
-
多田 正弘
埼玉県立がんセンター研究所 消化器科
-
多田 正弘
埼玉県立がんセンター消化器内科
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