病原性大腸菌O-157感染性腸炎の活動期に内視鏡検査で診断困難であった進行直腸癌の1例
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概要
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症例は74歳男性。下痢,下血にて入院し,大腸内視鏡を行ったところ盲腸,上行結腸,S状結腸を中心に縦走傾向をもつ潰瘍を伴う暗赤色の浮腫状粘膜を認めた。局所的な内視鏡所見は虚血性大腸炎に酷似していたが,病変の分布から感染性腸炎を考え,抗生剤などで治療し,症状は改善した。便培養で病原性大腸菌O-157が検出され,病原性大腸菌0157感染性腸炎と診断された。症状改善後,再度大腸内視鏡を行ったがRsに2型の進行大腸癌を認め,生検で中分化腺癌と診断された。病原性大腸菌O-157感染性腸炎の局所の内視鏡像は虚血性大腸炎に酷似することが多いため,内視鏡所見上虚血性腸炎と診断されたが全大腸を観察できなかった場合は便培養を提出する必要がある。また,本症例のような虚血性腸炎類似病変の急性期では進行癌でも発見しにくい場合があるため注意を要すると考えられた。
- 2003-12-01
著者
-
多田 正弘
埼玉県立がんセンター臨床病理部
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多田 正弘
埼玉県立がんセンター消化器科
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多田 正弘
埼玉県立がんセンター 消化器科
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多田 正弘
埼玉県立がんセンター研究所 消化器科
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石窪 力
秩父市立病院
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加藤 貴子
秩父市立病院
-
藤原 直樹
秩父市立病院
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瀬戸山 敏幸
秩父市立病院
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勅使河原 正敏
秩父市立病院
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