副腎皮質腺腫による原発性アルドステロン症および副腎皮質過形成による特発性アルドステロン症の尿中カリクレイン排泄量
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概要
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健常者,本態性高血圧症患者,原発性アルドステロン症患者に正常Na食,低Na食,高Na食をそれぞれ1週間継続摂取させ,各Na食の最終日に採尿して尿中カリクレイン排泄量,尿中アルドステロン排泄量を測定するとともに血漿レニン活性(PRA)を測定した。副腎皮質腺腫による原発性アルドステロン症(APA)のカリクレイン排泄量は副腎皮質過形成(IHA)のそれよりいずれのNa食下でも有意に(P<0.05〜P<0.001)高値であった。本態性高血圧症患者の尿中カリクレイン排泄量は健常者のそれと有意差はなかった。本態性高血圧症患者,IHA患者では正常Na食を低Na食に変えることにより尿中カリクレイン排泄量はそれぞれ軽度に(p<0.05)上昇した。低Na食下の健常者では尿中アルドステロン排泄量と尿中カリクレイン排泄量との間にわずかに正の相関々係を認めた(r=0.53,p<0.05)が,他の群では両者間に正の相関々係は見られなかった。PRAと尿中カリクレイン排泄量との問にも何ら有意の関係は認められなかった。以上の成績より,以下のごとき結論を得た。1)尿中カリクレイン排泄量の増加はAPAに見られ,IHAに認められず,両者の鑑別に有用である。2)尿中カリクレイン排泄量め異常は本態性高血圧症の原因と結びつかない。3)尿中カリクレイン排泄量はある程度アルドステロンの影響を受けるが,他の因子の影響も大きいと推測される。
- 千葉大学の論文
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