高血圧自然発症ラット,脳卒中易発症ラットの血漿レニン活性,とくに降圧剤投与の影響について
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概要
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異った作用機序をもつ降圧剤,新しく開発された protease inhibitorを若年性の高血圧自然発症ラット (SHR),脳卒中易発症ラット(SHRSP)に投与し,以下のごとき成績を得た. 1) pepstatinを SHR, SHRSPに投与しても,血圧は下降せず,血漿レニン活性(PRA)も不変であった.正常血圧ラット(WKY)への本剤投与は血圧下降と PRAの上昇をきたした. 2) clonidineは SHR, SHRSPの PRAを変えないが,血圧下降作用は著しい.本剤は WKYの血圧とPRAを著減させた. 3) phenoxybenzamine投与は WKY, SHR, SHRSPの血圧下降,心拍数増加, PRAの上昇をきたせた. 4) propranololは SHR, SHRSPの血圧上昇を惹起させたが PRAは不変であった.心拍数は減少した.一方 WKYの血圧,心拍数は不変であったが PRAは減少した.以上の成績より,以下のごとき結論を得た. 1) 若年性 SHR, SHRSPのレニン.アンギオテンンン系はgenetic hypertensionの原因とは無関係である.2) WKYの adrenergic receptorは SHR, SHRSPのそれより, propranololの実験で得た成績の一部をのぞきより sensitiveである.3) in vivoでの皮下投与実験では, pepstatin200μg/kgの SHR, SHRSPへの投与は,降圧作用,レニン抑制作用を示さない.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
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