Alpha-Fetoproteinの免疫抑制効果について : II.免疫抑制機序について
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概要
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マウスの羊水より分離抽出したα-fetoprotein(AFP)が抗原に特異的なリンパ球幼若化反応,mitogenによる非特異的リンパ球幼若化反応さらにヒツジ赤血球に対する抗体産生を抑制することを前回報告した。今回はAFP及び羊水の免疫抑制作用の機序について検討し,AFPのマクファージを介しての免疫抑制作用について報告する。抗原に特異的なリンパ球幼若化反応において抗原がマクロファージに取り込まれ,processされる過程にAFPが存在していても幼若化反応は抑制されないが,抗原の伝達(antigen presentation)あるいはマクロファージ↔T細胞の相互反応の段階にAFPは抑制作用をきたすことが示唆された。マクロファージを24〜48時間,羊水とインキュベートするとマクロファージの抗原伝達作用は明らかに低下した。さらに,AFPのPHAによる非特異的リシパ球幼若化反応抑制にもマクロファージが必要とされることも示唆された。即ち,マクロファージを除いた脾細胞のPHAによるリンパ球幼若化反応に対してはAFPは抑制効果を示さなかったが,これらの脾細胞に腹腔から得たマクロファージ細胞を加えると,AFPによる抑制は再度みられるようになった。
- 千葉大学の論文
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