Infused Open-tip法によるAnorectal Manometry : 第2報多変量解析法によるHirschsprung病の診断の試み

概要

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Hirschsprung病と慢性便秘症の鑑別診断を目的として,直腸肛門内圧検査から得られる定量的測定値(直腸静止圧,肛門管静止圧,high pressure zone (HPZ)の長さと面積)と肛門管収縮波の周波数,被検児の月令というデータを用いて判別分析を行なった。対象は1か月以上15歳未満の慢性便秘症36例と,2日〜7歳のHirschsprung病19例である。直腸肛門内圧検査はinfused open-tip法によって行なった。上記の6個のパラメーターのすべてを用いた判別関数による判別結果は,正判別率,Hirschsprung病の誤判別率がそれぞれ78.5%,11.1%であり,HPZの面積と月令を除く4個のパラメーターによる判別結果はそれぞれ83.1%,14.8%であった。判別上重要な意義をもつパラメーターは直腸静止圧と肛門管収縮波の周波数であり,月令とHPZの面積の関与は少なかった。直腸静止圧,肛門管静止圧,HPZの長さ,肛門管収縮波の周波数の4変数による判別式は,Hirschsprung病と慢性便秘症の鑑別診断上,臨床的に有用であると考えられた。
千葉大学の論文