イタリアンライグラスの耐雪・多収性育種における選抜方法に関する研究 : 1.点播と散播による収量および主要形質の比較

概要

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1.イタリアンライグラスの多収性育種において,点播条件での選抜が実際栽培の収量に対して有効であるか,また,選抜にあたっていかなる形質を重視する必要があるかを検討するために,二つの放任受粉集団より任意にhalf-sib系統を選び,各系統の点播と散播とにおける収量および主要形質の比較を,供試材料・年次を異にして3回行なった。2.生草重・一茎重のヘリタビリティーは点播区より散播区が高かった。3.収量および主要形質の点播区と散播区との間の相関係数は葉幅・草丈でつねに高く,生草重は高い場合でも0.624であった。4.生草重と最も相関の高い形質は,点播区・散播区のいずれでも草丈であり,ついで茎数である。5.散播区の生草重と点播区の調査形質との相関は試験により傾向が異なったが,草丈とはつねに正の相関がみられた。6.上位葉の下垂程度が小さい系統は大きい系統より,散播区での収量が比較的大であった。7.以上の結果から,収量に対する適確なる系統選抜のためには,点播条件より散播条件が有利であり,また,個体選抜にあたっては草丈を重視するとともに,受光態勢のよい草型・葉の形態などをも考慮する必要がある。
1969-04-20