イタリアンライグラスの耐雪・多収性育種における選抜方法の研究 : 2.系統比較試験におけるマイクロプロットの利用
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概要
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1)育種試験において,種子量・圃場面積・労力を節約して多数系統の比較試験を有効に行なうことが望ましいが,小試験区(1区面積0.1m^2)での試験方法(マイクロプロット法)の有効性を明らかにするために,イタリアンライグラス16品種を供試し,標準区(1区面積3.5m^2)との試験精度の比較,収量その他の形質の両試験区間の相関を検討した。2)収量の両試験区間の相関は刈取り期により異なるが,平均して0.864の値が,また合計収量に対しては0.850のかなり高い値が得られた。3)草丈の両試験区間の相関はつねに高く,平均して0.889の値が得られたが,一茎重・茎数の相関は測定誤差も影響してやや低く0.841,0.767の値であった。4)誤差のC.V.は雪腐病の影響が大きかった第2回刈は,マイクロプロットが標準区より大きかったが,他の刈取期ではいずれの形質でも大きな差はみられなかった。5)マイクロプロットは標準区よりいずれの形質でも品種間差が大きくなる傾向がみられ,とくに生草重のヘリタビリティーはマイクロプロットが大きかった。6)以上の結果より,マイクロプロット法は育種試験とくに初期世代における系統選抜に有効な方法であると考えられる。7)マイクロプロット法を実際に使用するのに重要な一区面積・播種密度・反復数などについて若干の考察を行なった。
- 日本草地学会の論文
- 1970-04-30
著者
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