日本の受刑者の再入に対する失業の効果 : Canter and Land理論のpooled time-series analysisによる検証
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概要
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本研究では,CanterとLand(1985)の理論に基づいて,失業率の犯罪動機効果と犯罪機会効果を区別し,刑務所出所者の再入率に対する失業率の影響を検証した.具体的には,1960年から2004年までの間に日本の刑務所を出所した者の再入率のデータを用いて,pooled time-series analysesにより分析を行った.その結果,出所コホート及び時代の効果を統制しても,満期出所者については,失業率は,再入を減少させる有意な効果-犯罪機会効果-があり,失業率の1階の差分(前年からの変化)は,再入を増加させる有意な効果-犯罪動機効果-があることが分かった.これは,CanterとLand(1985)の理論と一致している.しかし,仮釈放者については,どちらの変数についても有意な差を見いだせなかった.
- 日本犯罪社会学会の論文
- 2007-10-20
著者
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