「創造的階層」の消費行動研究 : 創造的階層と新しい旅(第一部消費のニューウエーブ,創造性の視点)

概要

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本研究では、Richard Floridaが提唱した「創造的階層」に焦点を当て、彼らの新しい旅に対する志向性の強さを、一般消費者グループとの比較によって検討した。その結果、創造的階層は、20項目中の7項目の活動で(「アウトドアでのスポーツ」、「異文化や歴史について専門家から学ぶ」、「自然の中でのアドベンチャー体験」、「少数民族や先住民族の集落を訪ねる」、「自然を観察して専門家から学ぶ」、「造り酒屋やワイナリーを訪ねる」、「ボランティア活動や社会貢献活動」)、一般消費者グループの参加意向をしのいでいた。また、一般消費者グループの参加意向が、創造的階層を超える項目はひとつも無かった。さらに、その7項目中で、所得との連関が有意であった5項目に関しても、低位あるいは中位の所得水準グループ内では、創造的階層が一般消費者グループより有意に参加意向が高く、逆の関係にある項目は、いつれの所得水準グループにも無かった。したがって、創造的階層は、新しい旅への志向性が強く、観光分野における消費者革新性が高いグループだといえよう。