会計上の価値概念に関する考察 : ペイトンの所説を中心として
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概要
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本稿は,ペイトンの所説を取りあげることにより,会計上の時価に関する問題に光を当てようとしたものである。彼は,公正な市場価値概念を中心概念にすえて,原価概念を捉える。原価と価値の関係をみると,原価は取得時の公正な市場価値を示すとする考え方が明確に示されている。彼のいう公正価値概念は,1940・50年代の経済環境のもとで論ぜられたものである。それゆえに,物価変動会計の領域において時価論の主張がみられる。もちろん,彼の時価論は,今日の金融商品の時価評価と同じものではないが,彼の考え方には原価と時価の混在する会計上の論理を考える上で示唆に富むものがある。
- 近畿大学の論文
- 2007-03-31