「ゆとり」教育期の高校教育課程経営に関する一考察 : 学習指導要領における社会系教科目の「教科体系」の展開を中心として
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概要
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本稿の目的は,1970年代後半以降の高校教育課程の特質の一端を提示することである。本稿では,社会系教科(「社会科」「地理・歴史」「公民」)を主な考察対象とし,その「教科体系」(教科内の科目の構成)の展開を,高校教育課程全体の変化や教育課程編成の類型の視点から歴史的理論的に検討して,「未履修」の背景を考察する。考察の結果,1970年代後半以降の高校教育課程の特質として,科目選択論理の単純化があげられた。また,「未履修」の背景として,次の二点が明らかとなった。一点目は,1989年版高等学校学習指導要領で「選択・必修混成型」ともいうべき「教科体系」をもつ社会系教科が導入され,履修パターンの意義づけが困難化したことである。二点目は,1990年代以降,高校社会系教科の必修科目数の増加で,高校進学者や授業時数および大学入試の動向と,教育課程編成方針との乖離が大きくなったことである。
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