微生物を用いた簡便有機汚濁測定法
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概要
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有機汚濁の簡便な測定法を検討した。低栄養細菌であるSphingomonas paucimobilis KPSO1はごく微量の有機物の増減によってその増殖の度合いを変える特徴がある。これを利用して河川水に含まれる微量の有機物の定量を行なうことを目的とした。有機物としてニュートリエントブロスを選んだ。これを10倍から1万倍に希釈した溶液を作成し、それぞれの濃度でこの細菌を一定時間培養してそのときのODを光電比色計で測定した。ごく微量の有機物の濃度変化に対してOD値が直線的に変化し、高い再現性が見られた。これを標準直線として、実際の滅菌した河川水でこの細菌を培養し、得られたOD値を標準曲線と対比して河川水中の有機物の濃度を検定した。従来使用されているBOD_5法も同時におこなったが、得られた評価に大きな齟齬はなかった。BOD_5法は酸素の消費量を測定する間接的な方法で5日間の時間を必要とするが、本法は短時間で且つ直接的な値がえられる利点がある。
- 2004-09-30
著者
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岡南 政宏
近畿大院・生物理工
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多田 宜文
近畿大院・生物理工
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多田 宜文
近大・生物理工
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多田 宜文
Department Of Biotechnological Science Kinki University
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柴田 竜太
Graduate Student Of Department Of Biotechnological Science Kinki University
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岡南 政宏
Department of Biotechnological Science, Kinki University
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