心療内科外来を受診した身体表現性障害患者の臨床的特徴
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概要
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目的:当科を受診した身体表現性障害の臨床的特徴を検討した.方法:対象は2001〜2002年に当科を初診し,ICD-10分類で身体表現性障害と診断された130例.診療録をもとに下位分類,発症誘因,受診歴,治療内容,転帰などを検討した.結果:下位分類では鑑別不能型が59人(45.4%)と最も多く,次いで自律機能不全19人(14.6%)であった.発症の誘因は対人葛藤が最も多く38人(29.2%),不明,身体疾患への罹患,心身の疲労と続いた.身体科受診歴は109人(83.8%)の症例にみられた.薬物療法の内訳は,抗不安薬のみの症例が57人(68.7%)であった.精神療法は支持的精神療法のみ90人(77.6%),環境調整の併用17人(14.7%)であった.転帰は,初診のみの群32人(24.6%),不変群54人(41.5%),改善群30人(23.1%),他科照会14人(10.8%)であった.初診のみの群では,他の転帰よりも誘因が「不明」である率が高かった.また,不変群の治療期間は,短期中断型と長期継続型の二峰性を示し,治療開始後初期の軽快歴と治療期間に関連性が認められた.改善群の主な誘因は,心身の疲労や対人葛藤であった.結論:当科は精神科外来に比べて,身体表現性障害の率は高く,身体表現性障害の患者にとって受診しやすくなっていると思われる.誘因が明らかな場合と転帰には関連性が認められた.誘因が明らかである場合は,心身相関の理解を得やすく,心療内科での治療継続につながると思われる.また,不変群における治療開始後の初期反応は,その後の治療期間にとって重要な因子である.改善群では多くの患者が治療開始後初期に軽快していたが,長期間経過した後に軽快したものもあった.
- 2007-11-01
著者
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福居 顯二
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
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福居 顯二
京都府立医科大大学院精神機能病態学
-
福居 顯二
三幸会北山病院
-
福居 顯二
京都府立医科大学 大学院医学研究科感染免疫病態制御学
-
福居 顯二
海辺の杜ホスピタル
-
福居 顯二
大津市民病院 精神･心療内科
-
福居 顕二
京都府立医科大学 医学･生命情報分子化学
-
名越 泰秀
京都第一赤十字病院心療内科
-
福居 顯二
京府医・医学・精神医学
-
山下 達久
京都府立医科大学大学院精神機能病態学
-
和田 良久
京都府立医科大学大学院精神機能病態学
-
富永 敏行
京都府精神保健福祉総合センター
-
和田 良久
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
-
和田 良久
京都府立医科大学精神医学教室
-
和田 良久
国立病院機構舞鶴医療センター 臨床研究部
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山下 達久
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学:京都府立こども発達支援センター
-
山下 達久
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
-
福居 顯二
京都府立医科大附属病院精神神経科
-
和田 良久
京都府立医科大学 大学院医学研究科精神機能病態学
-
富永 敏行
京都府精神保健福祉総合センター:京都府立医科大学大学院精神機能病態学
-
福居 顕二
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
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