Milnacipranが有効であった幻肢痛の1例
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概要
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外傷後に切断した下肢に出現した幻肢痛に対し, paroxetineおよびmilnacipranによる薬物療法を試みた.症例は, 27歳, 男性.交通事故による右膝から遠位の断裂, 外傷性血気胸, 無気肺のため, 当院整形外科に入院.右大腿切断術が実施され, 血気胸, 無気肺も保存的治療で改善した.しかし, 手術後より幻肢痛, 不安, 不眠, 器質的な原因は考えにくい呼吸困難感が出現した.Paroxetine投与とともに支持的精神療法を行ったところ, 不安, 不眠, 呼吸困難感は改善したが, 幻肢痛の改善は十分ではなく, 射精遅延の副作用により継続投与は不可能となつた.Milnacipranに置換したところ, 幻肢痛はさらに改善し, 残尿感が出現したもののnaftopidil投与で改善した.Milnacipranは幻肢痛の鎮痛に有用であつたと考えられた.また, 早期から薬物療法と精神療法的関与を行ったことも有効であつたと考えられた.
- 日本心身医学会の論文
- 2005-08-01
著者
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福居 顯二
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
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福居 顯二
京都府立医科大大学院精神機能病態学
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福居 顯二
京都府立医科大学 大学院医学研究科感染免疫病態制御学
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福居 顯二
海辺の杜ホスピタル
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福居 顕二
京都府立医科大学 医学・生命情報分子化学
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名越 泰秀
京都第一赤十字病院心療内科
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松本 好剛
京都第一赤十字病院精神科(心療内科)
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福居 顯二
京都府立医科大附属病院精神神経科
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福居 顕二
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
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