慣用句における移動と解釈の問題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿では、慣用句における移動(特にかき混ぜ規則)と解釈に焦点をあて、意味的考察(宮地(1982),国広(1985),中村(1985))をもとに、新たな観察を提示しながら、何故、慣用句には移動の可能なものと不可能なものがあるのかについて考察する。かき混ぜ規則は、意味変化を生じさせないものであると仮定されているが(Saito(1989))、では、何故、かき混ぜによりその一部を移動すると悪くなくなる慣用句とそうでない慣用句があるのかが基本的な問いとなる。この問いに対して、かき混ぜによって移動された要素(主に名詞句)の意味解釈と、移動元に残されたコピーの名詞句の意味解釈の差が解釈上の問題を生じさせているのではないかという答えを、一つの可能性として、提示する。
- 神田外語大学の論文
- 2007-03-31
著者
関連論文
- 日本語難易文の名詞化について
- 慣用句における取り立て
- 名詞化接辞「方」に於ける問題
- 慣用句における移動と解釈の問題
- 慣用句と右方転移
- On the Position of Nominative NPs in Japanese : The Possibility of Nominative NPs in-Situ
- 動作完了の「あげる」と程度副詞の「完全に」に関するノート