チモシー(Phleum pratense L.)を基幹とする採草地の窒素施肥配分に関する研究 : II. 窒素施肥配分がチモシーとマメ科草混播草地の乾物収量に及ぼす影響
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概要
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窒素(N)施肥配分がチモシー(TY)とマメ科草混播草地の乾物収量に及ぼす影響を検討し,年間合計収量を最も高める配分法を明らかにした。供試草地として,TY極早生品種クンプウ,同早生品種ノサップ,同晩生品種ホクシュウの各マメ科草混播草地3種類(クンプウ草地,ノサップ草地,ホクシュウ草地)を用いた。年間のN施肥量は,各草地とも10a当たり8kgとした。1. 年間合計収量はTY年間収量と高い正の相関が認められ,両収量とも早春のN施肥量が増すと増大した。この傾向は,ノサップ,ホクシュウ草地で明瞭だった。2. 年間合計収量が最も多収であったN施肥配分は,本試験で設けた処理では,年間3回刈取りのクンプウ草地が早春施肥:1番草刈取り後施肥:2番草刈取り後施肥=3:2:1,年間2回刈取りのノサップ,ホクシュウ草地が早春施肥:1番草刈取り後施肥=2:1であった。これは、この配分でTY年間収量が最も高かったためと考えられた。3. TY年間収量を高めるにはTY1番草収量を増大させることが重要であった。また,TY1番草収量は,茎葉部のN吸収量が多いと増大していた。一方,TYの収量構成要素の視点からみると,TY1番草収量の増大には,クンプウおよびノサップでは有穂茎数,ホクシュウでは全茎数の確保が重要であることが認められた。4. 以上から,年間のN施肥量が同一の場合,TY・マメ科草混播草地において年間合計収量を効率的に高めるN施肥配分は,いずれのTY品種についても前期重点型分施である。これは,年間合計収量を規制しているTY年間収量がこの配分で最も高まるためと考えられた。
- 1991-01-31
著者
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