女子短期大学生のアレルギー発症体験の実態並びにその発症原因と食事歴との関係について
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概要
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女子短期大学生を対象にアレルギーに関する調査をし,その結果について考察を行った。その概要は次のようである。(1)調査対象とした女子短期大学において,アレルギー発症体験者は49.2%であった。(2)症状別では鼻炎が46.4%と一番多く,次いでじんま疹37.0%,アトピー性皮膚炎29.3%の順であった。(3)発症年齢で一番多いのは7〜12歳(小学生時代)で約25%を占めている。そして0歳より12歳迄の間に約50%が発症している。(4)治療のため行ったことは,「医者にかかる」が一番多く,発症者の80%を占めている。次いで市販薬の利用が20%ほどあり,食事療法は12%弱と意外に行われていなかった。(5)医者にかかるなど治療を試みたが20歳の現時点で完治していない者が発症体験者の40%近くもおり,また治った者でもその治療に長期間を要したとする者が多かった。(6)食嗜好や食品摂取動向など食事歴とアレルギー発症との間には明確な相関性のある結果は得られなかった。(7)住環境とアレルギー発症との間にも相関性はほとんどみられない結果であった。以上の結果からみて,日本においてアレルギー疾患体験者が増加傾向にあることは間違いないが,その原因は特定の食品など何か単独の要因であるというよりは,生活環境にある様々な要因が複合的に作用することによることが多くなって来ていることを示唆していると思われた。
- 1993-03-31
著者
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