収益認識基準の在り方 : 会計情報の質的特性と財務報告の目的からの検討
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概要
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本稿では,IASBとFASBの共同プロジェクトで提案されている収益認識基準について,会計情報の質的特性および財務諸表の目的の視点から検討を加えた。最初に,収益認識基準に関する理論的背景について述べ,その流れに沿った共同プロジェクトの審議内容を,IASBの主張とFASBの主張の相違点が何を語っているのかを見極めながら,収益の認識と測定について要約整理している。次に,質的特性の視点から,信頼性が外部情報利用者だけでなく,経営者をも視野に入れる必要性と公正価値が企業活動の歪曲を生まないようにするための工夫について論じている。最後に,所有と経営の分離という原点に立って,財務報告の目的について論じ,受託責任解除目的と意思決定有用目的を包含する広義の意思決定有用目的によらなければ,真に意思決定に有用な情報を提供できないことを指摘している。また,そのための方法として,事象の連続的な時間的写像と意味論的写像という手段によって,過去と未来が現在という視点からの複眼的な統合の下に相互に補完的な関係に置かれる可能性に言及している。
- 拓殖大学の論文
- 2007-03-25
著者
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