わが国における福祉オンブズマンの様相 : 1990年代の社会福祉と福祉オンブズマンの展開
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概要
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90年代のわが国の社会福祉の特色をキーワードで現すと,在宅性,地域性,民営性,市民性と表現することができる.こうした特色が社会福祉の領域に第三者機関である福祉オンブズマンを誕生させる.土壌をつくりあげてきた.福祉オンブズマンのかたちは行政型と民間型に分かれ,民間型は単独施設型とネットワーク型に分けられる.行政型福祉オンブズマンはその基盤を社会福祉の在宅性と地域性に置き,民間型福祉オンブズマンは在宅性と民営性,さらに市民性に置いている.福祉オンブズマンにもとめられている役割は,市民からの苦情相談や権利・利益の擁護,福祉サービスに対する質の評価,行政機関に対する市民からの信頼の向上等である.これは,それまでの社会福祉供給体制の持つ多くの課題に対して,市民が第三者機関である福祉オンブズマンにその解決の糸口をもとめたからである.90年代に福祉オンブズマンが誕生するのは,今日の社会福祉に至るまでの序章としての意味合いを持っていた.
- 東海学園大学の論文
- 2007-03-31
著者
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