保育と介護福祉との比較 : 対象者の生活過程 その1
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概要
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「介護」は「保育」を含み有史以来行われてきた家庭経営の営みであった.はじめは専門性を追求されることはなかったが,社会の情勢から専門分化され専門職が誕生し現在に至っている.しかし,少子高齢社会という世代間の希薄さや同世代を収容しケアを行うのは不自然であるという発想から,「保育」「介護」の現場では統合ケア(世代間交流)が注目されている.世代間交流を実施するにあたり,対象者の一般的な生活パターンをたどりながら,文献より比較検討を試みた.その場合,子どもは3歳〜10歳ぐらいまでと高齢者は65歳以上とした.身体面・心理面・社会面からみてみると明らかに子どもは成長段階にあるのは周知のことである.高齢者は,身体面・心理面は低下するものの社会面はむしろ維持向上できており,子どもにとれば,その知識は,今後社会生活をする上で重要なキーワードがあることが伺える.また,両者の生活パターンをみてみると,中年層に比べ高齢者の余暇時間は比較的自由であり,子どもの自由時間と重なり合う部分が多く,時間の共有が可能となる.その共有時間を利用し社会的概念の教授(伝承)ができる可能性が発生する.しかし,今後は団塊世代が高齢者になることにより,文化の継承方法や内容も多種多様となることが考えられ,その時代変化に応じた世代間交流の提供もより具体的な巧緻性を帯びたものになることが予想される.保育と介護福祉の融合方法が今後の課題いえる.
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