山羊直腸便からの乳酸菌単離とその乳酸菌発酵ミルク給与が山羊の免疫性に及ぼす影響
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概要
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山羊直腸便より、乳酸菌と推定した桿菌24株と球菌65株を単離した。その桿菌(24)株中から、黄色ブドウ球菌に対する抗菌性と発酵PHにより選択した2菌株を用いて乳酸菌発酵ミルクを作製し、山羊給与試験を実施した。選択した2菌株の乳酸菌種同定は、生化学的性状及び菌株の16S rDNAの500bp部分塩基配列と国際塩基配列データーベースの乳酸菌塩基配列の相同性比較結果から、Lactobacillus plantarum subsp. plantarumに属する菌株(Lactobacillus Plantarum subusp. Plantarum NLBC1(=JCM13898)、NLBC2(=JCM13899))と推定した。山羊給与試験は、給与群21.6±11.76月齢(n=5、平均値±SD)5頭、無給与群19.2±10.73月齢(n=5、平均値±SD)5頭を用い、給与群に乳酸菌数125×10^5/mlに調整した乳酸菌発酵ミルク60ml/頭,日を22日間給与した。その結果、給与群において顆粒球/リンパ球比の有意な増加(P<0.05)、血糖値量の有意な減少(P<0.O1)、斃死率の減少、糞便中大腸菌数の有意な減少(P<0.01)が見られたが、体重増加量等に有意差は認められなかった。以上の結果から、Lactobacillus Plantarum subusp. Plantarum NLBC1(=JCM13898)、NLBC2(=JCM13899)菌株を用いた乳酸菌発酵ミルク給与は、山羊に対し免疫力向上等の影響が期待されると考えられた。
- 2007-09-25
著者
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武井 直樹
独立行政法人家畜改良センター長野牧場
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藤田 優
独立行政法人家畜改良センター長野牧場
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藤田 優
家畜改良センター長野牧場
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竹内 千晴
株式会社ティー・ケー・クラフト
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渡辺 秀意
株式会社ティー・ケー・クラフト
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井上 俊和
株式会社ティー・ケー・クラフト
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武井 直樹
独立行政法人家畜改良センター熊本牧場
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藤田 優
独立行政法人家畜改良センター十勝牧場
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