編入希望学生のMotivation Learning : TOEICスコアに基づいて(「国際語」としての英語-その教育目標と基準-)
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概要
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一般的にmotivationは教育概論において「動機づけ」と訳されているが、「動物の行動を喚起し、ある目標へ方向づけ、維持する課程」と定義されている。この「動機づけ」を児童生徒に対して如何に図るかは授業展開上の重要課題である。佐藤(2003)は「学習の動機づけには、競争や賞罰などの外発的動機づけと学習自体に興味や面白さを感じさせる内発的動機づけがある。学習意欲を高めるためにはこのうち内発的動機づけが重要であるが、児童生徒の興味や面白さに個人差があり、また教育価値をともなわないこともあるので、常に内発的動機づけを重くみることは望ましくない。」と指摘している。関西外国語大学短期大学部の約半数以上の学生は、海外留学、4年制大学(他大学を含む)への編入や専門学校への進学を希望している。編入の審査にあたってTOEFLスコアも参考にされるので、学生の関心が極めて高い。また、1年生の成績も条件となるために、編入という内発的動機づけがあるので学習態度は良好であり意欲的にクラスに参加している。果たして、編入希望学生(以下編入)と就職希望学生(以下その他)との間に、英語学習において動機づけの差はあるのか興味深い課題である。英語の四技能を習得する「コンプリヘンシブ・イングリッシュ」を受講する64名の短大生を被験者として、TOEFLではなく使用テキストの「TOEIC模擬ミニテスト」を使い編入とその他に分けてmotivation learning(動機づけ学習)の成果を調査した。2003年度前期末にpre-testを実施し、約5ヶ月後の後期末にpost-testを行った。それぞれ模擬ミニテスト(1)と(2)を使ったが、問題数は同じで内容は違うものであった。この間に、編入希望の多い2クラスには「TOEIC頻出英単語」(250語)のテストを実施したが、就職希望の多いクラスには実施しなかった(統制群)。編入・その他のTOEICスコアを比較し、同じ授業を受けていても編入という動機づけと目標のある学生はその他の学生よりも成績が向上すると考えられる。また、TOEICスコア向上というtask-based learningの結果にも注目される。仮説として、「編入希望学生は短大から大学へ進むという動機づけがあるので、就職希望学生よりもTOEICスコアが高く、全般的に成績が向上する」ことを掲げた。今回は3クラスだけの予備的な調査であったが、編入という目標からMotivation Learningは如何にして学習効果を高め、成績向上に資するかを検証して行く。
- 2004-09-01
著者
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