曾侯乙墓衣箱上的宇宙圖式
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概要
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曾侯乙墓の衣箱E66は、箱の上下左右六面で六合(天地と東西南北)を表しており、そのうち蓋は「天」を表している。箱の内部には朱色を塗って人の生活空間を表し、箱の底を「地」とする。箱蓋の中央には「斗士」の二字が記されており,天地の軸心であることを示す。箱の四側には四方神の像を描く。東方の神を「芒」とし、南方の神を「且」、西方の神を「〓茲」、北方の神を「玄冥」とする。衣箱は「斗」、「士」を中央に配置し、古代人が天地の運行を認識する拠り所と五行思想とを示す。衣箱全体は古代人が宇宙を認識する図式と称すべきものであり、中國古代の宇宙論について研究するうえで重要な意義を有している。曾侯乙墓より出土した五件の衣箱のうち、この一件(標本E66)の箱蓋上には二十八宿の名称が記されており、蓋面の右側には一匹の青龍が、左側には一匹の白虎が描かれている。この衣箱の二十八宿星図および青龍、白虎の図案については、学者が多く討論を交わしている。この衣箱の右側,図、正側図、左側図の画面の意味については、論究する者は多くない。筆者は、この衣箱の蓋と四側の画面および箱底、箱の内部の着色などは、体系的な構想からなっており、箱の六面全体が一つとなって、天体の運行、天と地の相対的な意味、四方、四時などの内容を包含して、実際上、当時の人々の宇宙を認識する一幅の図解を構成するものと考える次第である。
- 高知大学の論文
- 2007-03-30
著者
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