繰り返し伸長による残留歪からみた糸の疲労
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概要
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アパレル製品の膝、肘部分の突き出し(バギング)は、消費者苦情要因の一つである。このバギングの程度は、JIS L 1061により、一定長まで伸長した布の除重後の長さ変化から試験されている。しかし、衣服は着用時の動きが莫大な回数となり、部位によっては布に残留歪が蓄積する。また、極めて多数回の繰り返し伸長による残留歪の研究は、ゴム紐などで1965年代後半までに行われていたが、糸および布の場合の研究は、極めて少ない。そこで、本研究では、第1段階として糸に限定して、繰り返し伸縮後の長さ変化(残留歪)を疲労の目安として検討した。伸長率が大きくなるほど、また、繰り返し伸縮回数が多くなるほど、糸の残留歪は大きくなった。また、シャッペスパン糸では番号が小さいほど、より数が少ないためもあって、残留歪が大きくなった。よりの甘い糸は繊維同士の接触が弱く、繰り返し伸縮によって伸びてしまい、元に戻りにくいからと考えられる。糸の種類や構造によって、残留歪が異なることが明らかにされた。
- 和洋女子大学の論文
- 2007-03-31
著者
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