副詞"也"の作用域について
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概要
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中国語の副詞"也"が含まれる〔NP+"也"+VP〕は、"也"の作用域がNPの場合とVPの場合では文意が大きく異なり、全文の正確な訳出を求めるためには、作用域の位置を確認する必要がある。但し、"也"の作用域は文体が複文ならば前後フレーズに含まれる語彙の関係から容易に推定されるが、他フレーズとの比較が不可能である単文が提示された場合には多少困難となり、特にNPが省略された文体では、前後の内容から更に主体の該当者を推測せねばならない。そこで、"也"の作用域を推定する根拠としてNPを含む主体或いはVPを含む行為及び状態の数量が挙げられ、この条件に従えば、前者が複数、後者が単数ならば"也"の作用域はNP、その逆の条件が成立した場合にはVPと推定される。VPを作用域とする"也"は"既"との呼応によって並列関係の表示または強調を表示し、その内容には拡張変化も含まれる。また動詞"有"が含まれる"也有〜"でも同様の機能が発揮され、"〓"との呼応では転折関係が表示される。これらの例文に含まれる主体や行為及び状態の数量が"也"の作用域を推定する根拠となり、その結果には上記で示した推定の条件が成立している。
- 2007-03-31