日本における豚胸膜肺炎野外症例からのActinobacillus pleuropneumoniae血清型15様菌の分離(短報)(細菌学)
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概要
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日本における豚胸膜肺炎野外症例より分離されたActinobacillus pleuropneumoniae菌株は,オーストラリアの野外分離株の分析によって新規に提案された血清型15の参照株と近似していた.本菌株は,A. pleuropneumoniae生物型1と一致する生物学的および生化学的性状を示し,寒天ゲル内沈降反応によって15型参照株に対するウサギ抗血清と強く反応した.分離株の16Sリボ核酸遺伝子中の超可変部の塩基配列は,血清型15の参照株の配列と同一であった.また本株はA. pleuropneumoniae-RTX毒素(Apx)II,IIIおよびIV遺伝子を保有し,そのApxI保有型は血清型15と一致した.分離株のマウスに対する病原性は,Apxlを保有する血清型菌株に比べて低かったが,ApxIIIを保有する他の血清型菌株より高かった.これは,オーストラリア以外の国および地域においてA. pleuropneumoniae血清型15様菌株が分離された,初めての報告である.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2007-09-25
著者
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長井 伸也
(財)日本生物科学研究所
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長井 伸也
財団法人 日本生物科学研究所・研究部
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To Ho
(財)日本生物科学研究所
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小山 智洋
(財)日本生物科学研究所
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小山 智洋
財団法人 日本生物科学研究所・研究部
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