岩石の塩類風化の受け易さを表す簡単な指標
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概要
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塩類風化の受け易さを示す岩石の指標としてMatsukura and Matsuoka (1996)はWSI(=P/S_t,Pは岩石中で発生する結晶圧,S_tは岩石の引張強度)を提示し,この指標が有用であることを海岸域のタフォニ発達速度のデータによって示した.Pの値は岩石の間隙径分布から計算されるが,この分布を求めるには水銀圧入法による測定装置(mercury intrusion porosimeter)が必要になる.しかし,この装置は高額であるため,Pは容易には得られない.そこで,通常の測定で得られる岩石物性のうちの間隙率(n)でこれを代用させ,n/S_tという簡単な指標を考え,これとWSIとの関係を調べた.その結果,両者はWSI=10n/S_tで示され,間隙率と引張強度から容易にWSIが求められることがわかった.なおn/S_tの単位はMPa^<-1>である.
- 日本地形学連合の論文
- 2007-07-25
著者
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