載荷コンクリートのタイムフロー、彈性及び疲勞の研究(第1報)
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概要
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本論は持續載荷を受けた混凝土の彈性及び塑性を研究し、特に持續載荷前又は其の後に高應力の反覆作用により疲勞を起さしめ、其後持續載荷ある状態にて疲勞が恢復するや否やを實驗的に研究したもので、主として實在せる構造物の彈性振動研究の基礎及び破壊的大地震を考慮せる場合の混凝土の最大許容應力の限度を得んと試みたものである。實驗によりて知り得た要點は、破壊強さの1/3程度の持續載荷は、疲勞ある場合と雖も破壊強さに好影響を及ぼし、又疲勞によつて生じた彈性變形の増大を戻す作用がある。然も此の作用は持續應力の範圍外にも及ぶ。持續載荷は混凝土の性質を完全彈性體に近からしめる。然し一方に靭性を減ずる惡影響が加はる。最大破壊的地震を考慮した場合の最大許容應力範圍の推定に關し、本實驗の示すところは破壊荷重の2/3の荷重を200囘反覆する程度の疲勞は恢復し、破壊荷重の84%の荷重の200囘反覆による疲勞は最早や恢復不能であつた。此の結果並に從來の繰返し荷重に對する研究の結果より考慮して、最大破壊的地震によつて、混凝土に破壊荷重の3/4程度の應力を生ずるとも、致命的の影響を殘すものでないと推論する。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1935-07-05
著者
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