上方牽引による免荷歩行時の呼吸循環応答

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本研究は,健康な男子大学生15名を対象に,身体を上方牽引して荷重量を軽減させた歩行と牽引しない歩行をトレッドミル上で同速度にて行い,牽引力による3つの条件問((1)牽引しない,(2)体重の25%牽引,(3)体重の50%牽引)での呼吸循環応答および下肢の筋電図の分析から,臨床応用が可能であるかを検討することを目的に行った.得られた結果は以下の如くである.1.酸素摂取量・炭酸ガス排出量・分時換気量・1 回換気量の経時的変化で3つの条件間に有意差は認められなかった.2.心拍数,収縮期血圧,拡張期血圧の経時的変化で3つの条件間に有意差は認められなかった.しかし,定常歩行時の収縮期血圧の平均値を比較すると条件(1)より条件(3)の方が,15mmHg有意に高値を示した(p<0.05).3.前脛骨筋の筋電図積分値は条件(3)の右側で7.7%増加したが,他の条件では2.8〜5.5%減少した.大腿直筋は,条件(2),(3)とも3.4〜7.3%減少した.中殿筋は,条件(2),(3)の右側では約3%,左側では12〜13%減少した.腓腹筋外側頭は,条件(2)では右側が7.3%,左側が11%増加した.条件(3)では右側が7.2%,左側が9.5%減少した.大腿二頭筋は,条件(2)の右側が18%,左側が51%,条件(3)の右側が48%,左側が79%増加した.外腹斜筋は,条件(2)で1〜2%増加したが,条件(3)では変化がみられなかった.
2007-06-01

上方牽引による免荷歩行時の呼吸循環応答

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