小児泌尿器科疾患の最近の治療 : この10年で何がどう変わったか?

概要

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過去10年間に,小児泌尿器科医療は泌尿器科全般の中で重要な役割を果たすようになってきた。一般に泌尿器科では癌や前立腺肥大症などに対する摘除術が中心であるが,小児泌尿器科疾患に対しては,対象が小児であるということに加えて,手術内容が形成術・再建術であることがほとんどであるため,繊細な手術器具に精通することと高度の手術テクニックを兼ね備えることが要求される。術後の外観的な満足度とともに,将来に渡る腎機能・生殖機能の保持が得られるよう,信頼関係に基づいた綿密な治療計画が立てられるべきである。実際に,停留精巣に対しては,将来の生殖機能・父性獲得の達成度を向上させることを目的として2歳までに手術が行われることが奨められているし,尿道下裂やインター***においては,精神的なトラウマが残る可能性の少ない2歳までに手術に着手されるようになってきた。一方,腎盂尿管移行部通過障害による水腎症や膀胱尿管逆流症に関しては,自然軽快する症例もあるというエビデンスに基づいて,薬剤治療や経過観察が初期治療の中心的な役割を果たすようになってきた。
2005-12-17