スギ・ヒノキ間伐木の伐倒時期ならびに玉切り方法がニホンキバチ成虫発生数に及ぼす影響
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概要
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スギ・ヒノキ間伐木の伐倒時期や伐倒木の玉切り方法が寄主木辺材部の含水率およびニホンキバチ成虫発生数とその性比に及ぼす影響を調査した。さらに,寄主木の含水率と成虫発生数との関係からニホンキバチ成虫発生数を抑制する方法について検討した。伐倒時期は2月(冬),6月(夏),玉切り方法は玉切りなし(全木),2m玉切り処理,6m玉切り処理とした。伐倒時期間における含水率の差は小さかったが,成虫発生数は冬伐倒木が夏伐倒木に比べて少なく,その傾向はヒノキで顕著であった。一方,玉切り方法により,含水率および成虫発生数は有意に異なった。特に,スギでは約80〜170%,ヒノキでは約50〜150%の含水率木から多数の成虫が発生し,その含水率はスギでは6m玉切り木,ヒノキでは2m,6m玉切り木のそれぞれ相当した。これらの結果から,ニホンキバチ成虫発生数は寄主木の伐倒時期の調整により大幅に抑制されることが示唆された。また,冬,夏伐倒木においては,玉切り処理による成虫発生抑制効果は認められず,むしろ玉切り長によっては促進してしまう場合があることが示唆された。
- 2003-05-16
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