瘢痕性気道狭窄に対するステント治療の限界(<ミニ特集>「気道ステントをめぐる諸問題-pros and cons」)

概要

論文の詳細を見る
目的.瘢痕性気道狭窄に対するステント治療後にステントによる再狭窄を呈した4症例を報告する.症例.症例1は48歳男性.1991年に経験した症例で肺癌に対する気管分岐部形成術後の吻合部軟化症に対してmetallic stentを用い,留置後12ヶ月後にmetallic stentが原因の気道狭窄を生じ死亡した.症例2は56歳女性.結核による瘢痕性気管狭窄例で,Dumon stent挿入後4ヶ月後にステントの肺側端に肉芽狭窄を生じた.さらに長いDumon stentを挿入したが,その3ヶ月後にステントの両側端の肉芽狭窄を生じたので,ステントを抜去した.その後,9年間再狭窄は生していない.症例3は結核による瘢痕性の左主気管支狭窄例であり,Dumon stentを挿入したが,3ヶ月後にステントの両側端の肉芽狭窄を生じたので,ステントを抜去した.その後,9年間再狭窄は生していない.症例4は肺癌に対する右上葉スリーブ切除後の吻合部の瘢痕性狭窄である.Dumon stentを挿入したが,6週間後に口側端の肉芽狭窄を生じた.結語.Metallic stentは瘢痕性狭窄には適応でないことはすでに報告されているが,Dumon stentもその両側端に肉芽性狭窄を生じることが少なくない.理由はmetallic stentと同様に圧迫による物理的刺激と思われる.(気管支学.2007;29:7-13)
日本呼吸器内視鏡学会の論文
2007-01-25

瘢痕性気道狭窄に対するステント治療の限界(<ミニ特集>「気道ステントをめぐる諸問題-pros and cons」)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク