妊娠中体重増加量と新生児アウトカムとの関係に関する研究
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概要
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本研究では,電子カルテデータおよびアンケート調査データに基づいて,国立成育医療センターでコホート研究に参加登録された妊婦を対象に,妊娠中体重増加量と新生児アウトカムとの関係についてパイロット・スタディを行った。その結果,1)出生時体重は妊娠中の体重増加量と相関があること, 39.6%の妊婦の体重増加量が厚生労働省の基準(推奨総体重増加量)を満たしていないことが明らかになった。2)BMIによるグループ化では出生時体重において差がみられた。また,BMIが大きいほど出生時体重も重くなり,体重増加量が減少するほど出生時体重は小さくなる傾向があった。3)喫煙歴のある妊婦は喫煙歴のない妊婦より出生時体重が小さいという傾向があった。今後は,生活習慣,栄養状態,配偶者などの因子も含め,いろいろな角度から検討を重ねていくべきであると考えている。また,この手法を確立することで,日本における妊婦のBMIに対する推奨体重増加量の見直し,体重増加不良が低出生体重犯の直接的原因かどうかの検討をしながら,適切な勧告を可能にしていきたいと考えている。
著者
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