非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)についての文献的検討
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概要
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NASHとは飲酒歴がない者に見られるアルコール性肝炎に酷似した組織学的特徴を持つ肝疾患である。推定罹患率は約2-3%程度であり,肥満・耐糖能障害・高脂血症の合併が特徴的である。肥満の程度とNASHの罹患率, NASHの病勢との相関は有意である。臨床的には肝トランスアミラーゼの上昇以外に特徴的所見はなく,画像所見上も脂肪肝のみであり,診断には肝生検による組織学的検査が必要である。NASHは基本的には緩徐進行1生疾患と考えられ,肝硬変や肝細胞癌への進行など不可逆的な転帰をたどるものも少なくないと推定される。10年間で肝硬変への進行は19-25%, 10年生存率は59%と報告されている。高齢,肥満,糖尿病合併例,AST/ALT>1例は高度の肝線維化の存在が疑われ,予後不良の可能性が高い。メタボリックシンドローム患者が増加する今日,保険医学的にも関心を持つ必要があると患われる。
- 2007-03-17
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