腹部大動脈瘤に合併した特発性下大静脈破裂の1症例
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概要
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腹部大動脈瘤が下大静脈に穿破し,動静脈瘻を形成した報告は散見されるが,腹部大動脈瘤に並存した下大静脈破裂の報告はみられない.われわれは腹部大動脈瘤破裂の疑いで緊急手術を施行したところ,腹部大動脈瘤に明らかな破裂部位は認めず,下大静脈破裂による出血性ショックであった症例を経験した.症例は79歳,女性.下腹部痛により発症し,浣腸で症状は軽快したが,下腹部痛が再燃した.CT上,腹部大動脈瘤と後腹膜血腫を認めた.腹部大動脈瘤破裂の診断で開腹し,腹部大動脈を遮断したが循環動態は改善しなかった.また,瘤を切開したが破裂部位はなく,下大静脈前面に約2cmの破裂を認め,ウマ心膜パッチで閉鎖した.同時に腹部大動脈瘤は人工血管で置換した.術後経過は良好であった.
- 2007-03-15
著者
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濱路 政嗣
メイヨークリニック一般胸部外科
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濱路 政嗣
市立長浜病院心臓血管外科
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河野 智
市立長浜病院心臓血管外科
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松田 光彦
市立長浜病院心臓血管外科
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濱路 政嗣
Mayo Clinic General Thoracic Surgery
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河野 智
市立長浜病院 心臓血管外科
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