移動ノードからのデータ送信を対象とする伝送誤りとハンドオフを考慮したTCP高速化手法の提案と評価

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近年、モバイルコンピューティング環境が急速に普及しており、移動ノードを用いた電子メールやWeb検索などが広く行われている。特に最近は移動ノードからの情報発信も行われるようになっている。しかしこのような環境では、無線リンクにおける伝送誤りやハンドオフを原因とするパケットロスの増加により、TCP通信において不必要な輻輳制御が多発し、スループットが低下してしまうという問題が指摘されている。本稿では、移動ノードがデータを送信する場合を対象として、無線リンクでの伝送誤りと無線ノードの移動に伴うハンドオフにより発生するパケットロスに対して、不要な輻輳制御を生じさせずTCPのスループット低下を防止する方式について述べる。この方式は、パケットロスの原因を明示的に知らせるELNの利用、TCPのSACKオプションによる選択的確認情報を用いた積極的な再送、タイムアウト再送フラグと輻輳ウインドウのロールバックによるタイムアウト時の輻輳制御回避、Mobile IP制御メッセージを利用したハンドオフ時の速やかな通信再開などを特徴とする。さらにソフトウェアシミュレータを用いて性能評価を行った結果についても述べる。本方式は既存のTCPであるRenoやSACKとに比べて高いスループットを達成している。
社団法人電子情報通信学会の論文
2007-03-01

移動ノードからのデータ送信を対象とする伝送誤りとハンドオフを考慮したTCP高速化手法の提案と評価

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