一般演題 38 改良型SMART RACE法のホルマリン固定-パラフィン包埋甲状腺がん組織より抽出したRNAへの適用:被爆者甲状腺がんにおけるRET/PTC8の検出
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概要
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原爆被爆者における多くの甲状腺がん組織は,ホルマリン固定-パラフィン包埋の形で保存されており,原爆被爆者における甲状腺発がんの機構を解明する上で,パラフィン包埋組織の使用は不可欠である。RET/PTCがん遺伝子の頻度は,報告により大きく異なっているが,甲状腺乳頭がん発生の初期過程に関与すると考えられている。これまで,少なくとも12種類のRET遺伝子(RET/PTC1-9, PCM1-RET, ELKS-RET, およびRFP-RET)の再配列型が放射線被曝歴のある患者および無い患者両方より単離されてきた。RET遺伝子再配列の解析は,原爆被爆者における甲状腺がんの分子生物学的研究で最も重要な問題の1つである。しかしながら,原爆被爆者におけるパラフィン包埋組織標本は非常に貴重なため,その使用量が制限されるので,すべてのタイプのRET再配列を調べるのは困難である。したがって,既知のRET遺伝子再配列だけではなく,新しいRET遺伝子再配列の検出も可能にするためにSMARTtm技術(Switching Mechanism 5' End of RNA Template)を応用することにより,ホルマリン固定-パラフィン包埋甲状腺がん組織から抽出されたRNAを用いた 5'RACE方法を確立した。確立されたSMART RACE法を用いることにより,我々は高線量放射線に被曝した原爆被爆者のホルマリン固定-パラフィン包埋甲状腺がんより抽出されたRNAからRTE/PTC8の85bpフラグメントを含むクローンを単離した。
- 長崎大学の論文
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