一般演題 37 損傷乗り越えDNA合成酵素Rev1による突然変異誘発と発がん感受性について
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概要
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近年の分子遺伝学的解析の結果,がんは,がん遺伝子や,がん抑制遺伝子の変異により生じる遺伝子病であり,遺伝子の突然変異のうち,点突然変異が遺伝子変異の生成に関与することが明らかになった。YファミリーDNAポリメラーゼによるDNA修復は校正修復の機能を持たず,また,DNA塩基間の対合を無視する様式のものが多いため,必然的に誤りの多いものとなる。我々は,YファミリーDNAポリメラーゼのひとつであるRev1に着目し,突然変異の発生機構を明らかにしてきた。本研究ではさらにRev1の機能亢進と発がんの関連について検討した。Rev1はBRCTドメイン, deoxycytidyl transferase活性ドメイン,他のDNAポリメラーゼとの結合能を有する結合ドメインの3つから構成され,酵母やマウス,ヒトなどで広く保存されている。現在,酵母やニワトリBリンパ細胞由来のDT40細胞やマウス繊維芽細胞を用いた実験により,Rev1と突然変異の関連性が報告されている。そこで,本研究では,Rev1トランスジェニックマウス(Rev1-Tg)を用い,Rev1による突然変異誘発と発がんの関連性について検討を行った。
- 長崎大学の論文
著者
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渡辺 敦光
広島大学原爆放射線医科学研究所放射線再生医学研究部門 細胞再生学研究分野
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渡辺 敦光
広島大学原医研癌部門
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楠 洋一郎
広島大学原爆放射線医科学研究所 分子発がん制御
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梶村 順子
広島大学原医研分子発がん制御
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渡辺 敦光
広島大学原医研組織再生
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楠 洋一郎
広島大学原医研放影研
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