日本語における文タイプとその成分 : 第八部 「は」と「が」
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概要
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論文(Article)本論「日本語における文タイプとその成分」は「文」についての研究から始まっている。そして、「文」に対してソシュールの言うラングとパロルの二つの視点から二重の定義を与え、その捉え方を日本語を材料として検証することを目標としている。その過程で相(アスペクト)と態(ヴォイス)(第三部)・様相(モダリティ)(第四部)・品詞(第五部)・格(第六部)などの検討がなされたが、第七部では日本語文の基本的構成が用言文と体言文の二つのタイプとして定式化された。この第八部はそれにもとづきながら「は」と「が」の機能について考察している。ここでもソシュールの連辞関係と連合関係の話題に大きな示唆を得ながら、「は」には<枠=係り助詞>、「が」には<指定=連用助詞>としての性格を見出している。さらに、体言の二項関係を構成する場合には、「は」と「が」がともに<連結助詞>として機能しながら対極的な働きをすることが観察されている。これらの点を踏まえながら、本稿の主要な部分は「は」と題(=主題・題目)をめぐるさまざまな問題を扱っている。
著者
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