ジクロフェナクナトリウム点眼製剤による角膜障害因子の検討

概要

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(目的)ジクロフェナクナトリウム(以下DFNaと略)点眼製剤の角膜障害因子について検討した。(方法)培養兎由来角膜細胞(以下SIRCと略)をクロロブタノール(以下CBと略)(0.5%),DFNa(0.1%)単独,およびCB+DFNa混合液を接触処理し,その細胞生存率(%),SIRCからの乳酸脱水素酵素(LDH)の漏出量をマイクロプレートリーダー法(MTT法,490nm)で算出した。また,3種溶液の細胞増殖への影響,CB液によるSIRCに対する形態学的変化を透過型顕微鏡(TEM)で観察した。(結果)SIRCに対する障害はCBとDFNaの混合液が最も強く,次にCB液,DFNa液の順であった。また,SIRCからのLDHの漏出量もCBとDFNaの混合液で最も高かった。細胞増殖への影響はCBとDFNaの混合液が最も強く,次いで,CB液,DFNa液の順であった。0.4%CB液の処理により細胞表面の不定形と細胞内水分の侵入による細胞質の膨潤が見られた。(結論)DFNa点眼薬の細胞障害は点眼製剤中に防腐剤として添加されているCBと主剤であるDFNaの配合で増強する。
金沢医科大学の論文