「著作りを通して食文化を知る授業」の創造
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概要
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本稿は、学校教育における「箸の授業」の意義について考察する。箸の授業は「箸作り」学習と「箸と食文化」学習を結合して構成される。「箸作り」の授業は、労働対象である材料(素材)の学習、労働手段である食加工道具の学習、労働実践としての箸製作技能の実習で、構成・実践される。これは箸の授業の技術教育的構成である。他方、「箸と食文化」の授業は、食生活史における箸の位置、社会変化と食と箸の変化、箸の正しい使い方指導、などで構成・実践される。これは、箸の授業の生活文化史的構成である。箸の授業はこの両者を結合して統一的に実践されることによってより教育的、文化的価値のある教材へと高めることができよう。本稿は、箸の授業が学校教育課程の中で位置づく意義や、「物をつくる教育」との関係についてもふれる。考察の展開は以下のようである。はじめに-物をつくる体験学習の中で生活や文化、社会をみることの意義について-、1今、学校教育課程では箸の教育はどのようになっているか、2求められる真の「物をつくる教育」のカリキュラム化、3箸の授業の構想-その位置と教材化過程-、4和食と箸の歴史-その教材化の視点-
- 2006-07-01
著者
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